[追記]

下の脚注2にコメント(ttp://d.hatena.ne.jp/eggmoon/20070724)をいただいたので、それに絡めて気づいたことを補足します。
自分はP137の5コマ目をさくらの意識が春太郎との対関係から父親を含めた家族関係に移るための繋ぎとも考えていました。ところが、直後の展開では、さくらの関心は「家族関係」というより「親子(父娘)関係」のほうにあるように見えるんですよね。つまり、さくらは父親には謝る一方、春太郎を無視してしまっている。そして、春太郎に謝るのはなんと50ページ後のP186なんですね。時系列は入れ替えてないようなので、これはやはりそれなりの時が経ってからの場面なのでしょう。
では、さくらはなぜ、すぐに謝らなかった(謝れなかった)のか? eggmoonさんは「『春太郎を一番傷つけるのは、真実を告げること』だとわかっていたからこそ、確信犯(←誤用)で言っちゃった」と指摘しているのですが、これはたしかにその通りで、その点、「さくらが本当に恐れているのは約束を破ることというより、春太郎を傷つけてしまうこと」という自分の解釈は一面的なんですね。なぜなら、さくらは春太郎をたんに傷つけたくないだけではなく、同時に、愛しているから自分の気持ちを知ってもらいたかったし、それを知らない春太郎に苛立ったし、春太郎を傷つけてでも真実を告げたいという衝動を抑えられなかった、といえるからです。その「衝動」を遅れて自覚しつつも、動揺のあまり、自分のなかで整理できなかったのであれば(そして実際、隠し事をすることによって負担を強いられていたのであれば)、さくらがすぐに春太郎に謝ることができなかったのも仕方ない。
ただし、考えてみると、あの決定的な告知の後で、春太郎本人にではなく、隠し事を共有していた父親に謝るのもおかしな話です。となると、あれは春太郎への間接的な謝罪なのかなとも思えるんですが、まあそれは深読みかもしれないし、そもそも僕自身が告知されないことを好まない性格だからかもしれません。