失恋といえば失恋

ある朝、あるファストフード店にて。
「はぁ…」
「……また連絡とれないの? ひどい顔してるよ」
「……最近思うんだけど…歳とると回復力が落ちるよね」
「そうねえ。ここだけの話、オールした翌日なんてサイアクよ」
「ていうか、その歳でぶっちぎりで踊りまくってるの、あんたくらいよ」
「高校のときなんて2徹くらい余裕だったのに」
「いつの話してんのよ」
「あの頃は“朝マック”なんて言葉もなかったわね〜」
「シッ! 声が大きいって!!!!!!!!!!!!!!! トシ,バレルッテ…」
「エッ…ゴメン……あ、回復力といえば、たしかに風邪の治りとか遅くなってる気がする」
「あぁやっぱり? 昔だったら『あ、風邪ひいた→寝込んだ→治った!』みたいな感じだったのに」
「いまは『風邪?→まじダルい→とりあえず寝とくか→治ったかな?→それにしては、なんか調子悪いなあ→ま、いっか…』みたいな」
「うんうん、はっきりしないのよね〜」
「かと思ったら『風邪ひいた?→ひいたかしら?→ひいてねーよ!→ハックション!』みたいな」
「なに強がってんのよ!」
「とにかく始まりと終わりが曖昧になってる」
「そうそう。いつ始まって、いつ終わったの?って感じ」
「まるであんたの恋みたいね♪」
「そうそう! いつ始まって、いつ終わっ…うぅぅ……」