野見さん

松本「個人的にはなんもいわんとパイプ椅子に座ってる野見さんをずっと見ていられますから。ほったらかしにしていても面白い。あの人は神様なんですよ」
高須「ああいう人がもっとお金をもらえる世の中が来ればいい。ただね、お金をあげてしまうと、人格が変わって、神ではなくなってしまうかもしれない」
松本「いいこといいましょか? あの人にお金を渡してしまうと貧乏神になってしまうんですよ」
高須「アッ、なるほど……。(ところで)あの番組、もしかしたら、いったん終わるかもしれません」
松本「もちろん。あんなおっさんと一年もやれませんから!」
高須「(苦笑)」
松本「気持ちの悪い!!!」
高須「オイッ、それをいうたらあかんやろ!(笑)」
松本「(笑)。いや、それはね、しんどいですよ。僕ね、今いろいろ番組やってますけど、前の日、一番しんどいのが、あの番組なんです。明日『おっさん劇場』かあ……と。やってるときは意外に楽しくないんですよ。やっぱり、すごい疲れる。終わってメシでも喰いにいったときに『いやー、やっぱ今日もおもろかったな』とやっと客観的に見られる」
高須「一人ひとり、ものすごいパワーですからね。あの人たち、お笑いの型がないんです。自然体で体が動いていく感じでしょ?(笑) 野見さんのダンスも素晴らしい……」
松本「芸人、みんな、あの番組、好きじゃないですか。オレもう、これ(「働くおっさん劇場」の話)いいたくてね。後輩たち呼んで、気づいたら2時間、3時間、野見さんの話をしている。止まらない(笑)」
高須「それだけのパワーがあるからね(笑)。でね、野見さんはかわいい。あんなかわいさが出てくるんやね。あえて失礼な言い方しますけど、最初見たとき、『こんな汚い人間がいてんのか』と思ったんですよ。でも、ちょっと話していると『あ、この人チャーミングだな』と思い出すんです、不思議とね。だから僕は世の中があの人を温かく見守ってあげてほしいんです。といっても『野見さん野見さん』とみんなが声をかけるのではなく、ふつうの人のように、ふつうにいてるだけでいいんです。スターにしちゃダメなんです」
松本「『うわー、神様や〜!』と崇めることなく、そっとね。『あ、また神様、来てるで。みんな、あんま見いひんようにしようぜ』みたいにね。あの人が去った後はちゃんと笑いの花が咲いていますから」
高須「いびつな色の、見たことのないような花ですけどね(笑)」
2007年2月17日放送の「放送室」から再構成。