『リンガー! 替え玉★選手権』

健常者が知的障害者になりすましてスペシャルオリンピックスに出る映画『リンガー!』。一年以上前、町山智浩がストリーム・コラムの花道で紹介していた。本題は約1/3を過ぎてから。http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/files/st20060117.mp3

……いったいどんなヤバい映画なのか、黒い映画なのか、こんなものを日本で公開できるのかと思いきや、しごく真っ当で、さわやかなラブコメだった。ただ、英語だからよく判らないだけで、物まねのシーンには引いてもおかしくないのかもしれない(逆にもっと笑えるのかもしれないけど)。少なくとも実際、今、日本人が日本人の役者で同じような製作規模でこれをやれるのかどうか。その意味ではDVD化の際に収録されるだろう、日本語の吹替が気になる……。
監督はプロレス・ドキュメンタリーの傑作『ビヨンド・ザ・マット』のバリー・W・ブラウスタイン。が、ドキュメンタリーというより、巧妙にリアリズムを排したお伽噺的なノリが感じられ、製作のファレリー兄弟が監督したといわれても判らないかもしれない。ここでは健常者がマイノリティであり、マイノリティである主人公が障害者たちに糾弾されるところなんて、演出次第でけっこう怖い場面になりかねないと思うのだけど。『リンガー!』は今日から4週間限定公開。http://www.theater-n.com/movie_ringa-.html