裁判傍聴のススメ@ロフトプラスワン

9月26日(月)、こんなイベントに行った。

「裁判傍聴のススメ」〜裁判の裏側、全て話します〜
あの三浦和義さんも出演緊急決定!!全ての事件フリーク&裁判ファン必見!色々な事件を目の当たりにしてきた“傍聴マニア”たちが遂にプラスワンに登場!あの事件の真相は?マスコミが報道しなかった事とは?元警察官や現役弁護士を招き裁判の真なる裏側が暴露される!更にあの大物証人も出廷予定(?)これを見ずして裁判は語れないぞ!
【議長】 阿曽山大噴火
陪審員今井亮一北尾トロ、礼田計(交通ライター)
【特別陪審員】ダンディ(霞ヶ関倶楽部)
【証人】三浦和義黒木昭雄(元警察官)、
    樋口明巳(現役弁護士)
【入廷】18:30【開廷】19:30
【入廷料】\1000(飲食別)
【問い合わせ】ロフトプラスワン
 新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 03-3205-6864
 http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/
※前売券等は出しませんので当日そのまま御入場下さい。

よく知らないひとのために書いておくと、本当の傍聴はタダ、入退廷は自由です。ただし、飲食や私語は禁止。服装も示威的だったりするとNG。細かい規定は忘れたけど、常識の範囲内なら許される。あと重要なのは、人気の裁判は先着順や抽選で傍聴券が交付されるということ。
僕はこれまで裁判所に行ったのは二回、傍聴件数は数件しかないのだけど、傍聴をより有意義なものにするためにはそれなりの下調べが必要だと思った。ただし、下調べしても実際には進行がぐだぐだでつまらないこともある。逆に、ぶらりと入った法廷で偶然にも面白いやりとりが展開されているということもある。裁判所は裁判情報の公開に超積極的というわけではないようだけど、来るものは拒まずということなのか閲覧可能な資料は少なくないし、問い合わせにはわりと柔軟に応じてくれるようです。裁判所のウェブにも傍聴券交付情報が随時掲載されている。2chなどネットで交換されている情報も参考になる。
ところで当たり前だけど、傍聴は見せ物というより、制度として必要なわけです。傍聴可能だからこそ裁判の公正さは保たれる。裁判官、検察官、弁護人が、どこまで傍聴人を意識しているのかはよく分からない。ともかく、ようは、実際に傍聴人がいるかどうかはともかく、傍聴の権利が保証されていることが重要なのですね。
さて、裁判を傍聴すると変な場面や妙な人に遭遇することがあって、いろいろ話の種にはなりそうなんだけど、今回のイベントでは、傍聴人というより、どちらかというと一般市民として気になる警察や司法の問題がちらほらと出てきた。といっても、ちょっとつっこみが浅いというか、議論としては緩かったことは否めず、出席者の顔見せ程度に終わった気がしないでもない。あの手のイベントが、あの会場で、ということを考えれば、それも含めて良しとすべきなのか。
ちなみに、三浦和義http://www.0823.org/)はこの中でも超有名人だけど、現在の彼をよく知るひとは意外に少ないかもしれない。長身・金髪・サングラスという容貌が独特の雰囲気を醸しだし、鋭い切り返しと淀みない語り口が印象的。去年公開の映画も見たくなった。彼は「これは」と思う(冤罪)事件の当事者とは直接コンタクトをとり、独自のネットワークを築いているらしい。林真須美を「マスミちゃん」と呼んでいた。
黒木昭雄はジャーナリスト(http://www.akuroki.jp/)。今回は本人を知らない客のための質問が多かったためか、あまりつっこんだ話はでなかったものの、元警察官という経験に裏打ちされた信念と情報力を垣間見ることができたかな。「供述調書の発言は脅されたもので事実ではない」というよくある被告の証言はおそらくほとんど嘘、とか、取り調べは完全公開ではないほうがいい、という理屈が面白かった。

追記と余談

気分はもう、裁判長 (よりみちパン!セ)遅ればせながら、北尾トロ著『気分はもう、裁判長』を読んだ。これは傍聴入門としてうってつけだった。初心者向けガイドツアーの体で、読者に傍聴を疑似体験させる趣向。記述は簡潔で、事件のチョイスはバリエーションがある。理論社のこの「よりみちパン!セ」シリーズは、中学生以上が対象ということになっているようだけど、実際の読者はいい歳した大人なんだろうなあ。
正しい保健体育 (よりみちパン!セ)みうらじゅんの『正しい保健体育』は、平易かつ真面目な口調ながら、じつは変態道への誘い。名言、至言が怪しい断言に混じって、ポンポンと飛び出す。

いずれ人類はセックスをしなくなるかもしれませんが、オナニーは絶対すたれません(p29)

人生をちんぽに例える時代は終わりました。これからはちんぽを人生に例えていきましょう。仮に実際の自分のちんぽが「細く短く」だったとしても、本当はどういうちんぽが欲しいのかを考え、人生において、それだけは妥協してはいけません(p37-38)

高齢者になってから「生きがい」を探しても遅いのです。生まれたときから余生は始まっています(p136)

つまり、「変態」といっても、もちろん不真面目なわけではない。間違えて買うひとがいたら面白いな。*1

*1:ちなみにこのシリーズのデザインを担当している祖父江慎+コズフィッシュの展覧会が来月、銀座で開催される(http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/)。