出版

そのうち役立てたい読書(女優・タレント本)

『PLATONIC SEX』一言でいえば不良少女物語といった感じの「自伝的エッセイ」。テレビのキャラを裏切らない。読みやすい。 『ふぞろいな秘密』実名頻出の芸能界裏話的な内容。渡米後の話はいまいち。 『女優の夜』生/性と死を見つめる壮絶な自伝。文章はや…

Perfumeのインタビュー

インタビュー記事としてはおそらく過去最長。スクールや高校での立場やロック的(?)思考など、新しい情報、貴重な逸話(少なくとも自分にとって)もあるが、内容は薄く、読みにくい。もっときっちり編集すべき。テキストを削ってスペースが空いたら水着グ…

モテたい理由

女性小説家が書く、流行りのモテ本。女性誌の分析を通じて消費社会で強化される恋愛幻想を論じ、男女論、家族論、世代論を展開。「私の男友達がこう言っていた」式の論証や直観的な話の進め方に抵抗を覚えてしまうものの、なるほど、と膝を打ちたくなる指摘…

落書きとホームレス その3

最近の話題を少しだけ意識しつつ、『ネットカフェ難民』を読んでみた。 ほら、いたでしょう? ヒッピーとか、フーテンとか、いつの時代にも、家を捨て、街を浮遊して生きる若者たちが。ネットカフェ難民の少なからずは、その系譜に属する若者なのかもしれな…

よしながふみ対談集

あのひととここだけのおしゃべり よしながふみ対談集 [ よしながふみ ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > エンターテインメント > サブカルチャーショップ: 楽天ブックス価格: 1,296円よしながふみファンはもちろん、一般的なマンガ好きにも向けてつくられたよ…

『フラワー・オブ・ライフ』

よしながふみの漫画は商業誌で発表されたものはだいたい読んでいる。同人誌のものはよく知らない。両者の関係が気になるところ。 本作は相変わらず楽しい、というか、自分がこれまで読んだなかで、もっとも笑えるよしなが作品だった。しかも、たんに愉快な作…

『プラスティック・ソウル』

数年前から、何度も中断していたが、ようやく読み終えた。巻末付録が丁寧かつ良心的。たしかに、読みやすいものとはいえず、どちかといえば失敗作なのだろう。が、ドキュメントと考えれば面白い。71ページの「森」は皇居だったのか。

「子供世界と大人世界の間」で……

『ホーリーランド』、前から気になっていたんですが、ようやく一気読みしました。なぜ今まで読まずにいたんだ……。一言でいえば、いじめられてひきこもるようになった高校生が、学校にも家にも見いだせない居場所を求めて街を彷徨い、同世代の連中とのストリ…

余談

『スピリッツ』で連載中の「ボーイズ・オン・ザ・ラン」がちょっと気になっている。主人公が本当にボクシングを始めるとは思わなかった。これは既定路線なのだろうか? ともあれ、おそらく本格的なボクシング漫画になることはなく、読者もリアルなボクシング…

泣き虫ボクサー

一年前の深夜、「泣き虫ボクサー奇跡」という番組が放送された。気になるタイトルだったのだけど、見逃してしまった。忘れかけたころ、先週フジテレビで「タツキ 泣き虫ボクサーの死闘」というドキュメンタリーが放送された(テレビ欄のタイトルは「泣き虫ボ…

気分はそろそろ戦争

たしか自分が小学生のときの授業では、戦争とはすでに過去の出来事であり、イラン・イラクなどは、この平和な時代に未だに小競り合いをしている気の毒な国家という、いわば同情さえ受けていたと記憶しているのだけど、昨今では、そのような呑気な気分こそ、…

村上隆とナルミヤの和解をめぐる話について

「マウスくん」訴訟で和解=ナルミヤが4千万円支払い−東京地裁 子供服メーカー「ナルミヤ・インターナショナル」(東京都港区)のキャラクターをめぐり、現代美術家の村上隆さん(44)が著作権を侵害されたとして、同社を相手に損害賠償などを求めた訴訟は24…

『のだめカンタービレ』と芸術マンガ

『のだめカンタービレ』、めちゃめちゃテンポが良くて読みやすいです。ギャグとクラシックの組み合わせも新鮮。のだめは自分のことを愛称で呼ぶような、ある意味イタイ、天然の三枚目だけど、不思議ちゃん的なやらしさがなくて、絵柄も全然媚びてないという…

武居俊樹『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!作者: 武居俊樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/05/26メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (56件) を見るめちゃくちゃ面白い。フジオ・プロの漫画制作システムが、ようやく明かされたとい…

裁判傍聴のススメ@ロフトプラスワン

9月26日(月)、こんなイベントに行った。 「裁判傍聴のススメ」〜裁判の裏側、全て話します〜 あの三浦和義さんも出演緊急決定!!全ての事件フリーク&裁判ファン必見!色々な事件を目の当たりにしてきた“傍聴マニア”たちが遂にプラスワンに登場!あの事件…

続コミックバトン〜思い入れのある漫画

さて、その後は御多分に漏れず、『少年ジャンプ』を愛読するようになりました。『キャプテン翼』ブームでつくられた少年サッカーチームで、滝気分でライン際をドリブルしたり、翼気分でゴール前の岬君気分の仲間にセンタリングしたり、あるいは『少年サンデ…

コミックバトン〜『ドラえもん』第7巻

はじめて買ったのは『ドラえもん』7巻です。当時320円くらい。とはいえ、小遣い一か月分だったので、とても慎重に選びました。それにしても、なぜ7巻なのか? まず、そのころの自分には、そもそも1巻から揃えるという発想がなかったのです。しかも、同シリー…

絶望に効く(?)『失踪日記』

被差別民や貧困層を描いたり、あるいは貧困そのものをテーマにした漫画は少なくないはずだけど、日本は一応は近代化され、たとえフリーターに甘んじたとしても、なんとか喰っていくには困らない時代を迎え、貧乏生活はバラエティ番組のネタになりこそすれ、…

『ドラゴン桜』

『週刊モーニング』で連載が始まったときは、なるほどこういう手があったかと思った。『ドラゴン桜』は落ちこぼれが東大を目指すというありえない設定と、東大合格の秘訣を説くマニュアル形式である点が目を引く。 日本は学歴社会。お前らは負け犬。低学歴者…

プロレス・スポーツ・(ノン)フィクション

今でこそ状況は多様化しているが、かつてプロレスはテレビ中継なしでは成立しなかった。森達也企画の「ミゼットプロレス伝説」(1992年放送)によると、小人プロレスの試合は、女子プロレスの試合の合間に行われ、全盛期は独自の人気を誇っていたが、「小人…

『Number』格闘技特集を拾い読み

『Number』の格闘技特集は総じて、日頃ネットや格闘技専門誌の情報に接しているとおそらく、情報の鮮度が高いとか、コアなファンを唸らせるような新しい視点を打ち出しているとはいいにくいけど、その分、入門者〜中級者向けの総合的で安定した(無難な?)…

『Shall We dance?』上陸(と井筒監督)

「虎の門」の名物企画「こちトラ自腹じゃ!」。井筒監督の辛口の「美点」については以前も少し書いた。今回のネタは『Shall We dance?』。公式ページには拾われてないのだけど「くっっだらねっ!!!」が連発されていた。ここまで身も蓋もないと、何はともあれ…

早川いくを『へんないきもの』

ドゥーガル・ディクソンほかによる『原色版 恐竜・絶滅動物図鑑』や、水木しげるの「画談」シリーズなど、非現実的な生物を収めた図鑑を好むものとしては、ベストセラー『へんないきもの』(バジリコ株式会社)は必見だった。が、自分と同じように童心に帰る…

橋本治『ちゃんと話すための敬語の本』

以前、「3年B組金八先生」で金八が生徒たちに敬語を使うように説教する場面にふれ、「『年上を敬え』というメッセージも、突き詰めれば論理的に説明できるようなものではない」(http://d.hatena.ne.jp/mnsn/20041107)と書いた。「なぜ敬語を使わなければな…

桐野夏生『I’m sorry, mama.』

桐野夏生『I'm sorry, mama.』の面白さは主人公松島アイ子の面白さでもある。アイ子の育ちはこの現代日本で考えられるかぎり最悪のものだ。アイ子は育ちの悪さを指摘されることをもっとも嫌うが、それは言動から明らかだ。それでもアイ子は幼いころから劣悪…

町山智浩『底抜け合衆国』からメモ

インディペンデント系ラジオ局「エア・アメリカ」 1996年、アメリカでは通信法が改正され、「電話会社の自由競争を推進するための規制緩和だったが、同時に放送局の買収規制も緩んだ。」 現在ではクリア・チャンネルが全ラジオ局の六割を買い占めた。政府と…

鶴本直と天使恵

先週録画した「3年B組金八先生新年スペシャル」をようやく見た。新聞のテレビ欄を見たとき、なぜ上戸彩が出演するのかも分からなかったのだけど、そういえばこの人も3Bの生徒だったのだ。そして今回の演技と挿入された回想シーンを目の当たりにし、この第6シ…

「竹熊漫談」から漫画の未来を想像する

竹熊健太郎の『マンガ原稿料はなぜ安いのか?』(イースト・プレス刊ISBN:4872574206)は業界論、作品論、作家論、そしてあの『サルまん』の制作秘話の四部構成になっている。タイトルからして一種の暴露本と思われるかもしれないが、原稿料についての記述は…