ドラマ

「ブスの瞳に恋してる」と『愛しのローズマリー』

「ブスの瞳に恋してる」(http://www.ktv.co.jp/busu/)は、制作発表における「ブスが褒め言葉になればいい」という稲垣吾郎の発言と、ヒロインが村上知子というキャスティングが気になっていたのだけど、どうも当初の期待──といっても何を期待していたのか…

古畑任三郎ファイナル

映画館だとたぶん観に行く気はしないけど、テレビだったら、ついつい気になって視てしまうシリーズのファイナル三回。 藤原竜也篇。藤原演じる犯人のあまりのガキっぽさに辟易してしまったが、「じつは真犯人は……」みたいなどんでん返しが仕込まれていた。お…

いよいよ最終回「女王の教室」

始まって間もなく、児童に失禁させる場面が話題を呼んだ「女王の教室」。その後、ドラマに否定的な視聴者の目を恐れたスポンサーが、番組終了時のクレジット表示を控えたいと申し出たとか。実際には賛否両論があることだし、これはちょっと過剰反応に思える…

『ドラゴン桜』

『週刊モーニング』で連載が始まったときは、なるほどこういう手があったかと思った。『ドラゴン桜』は落ちこぼれが東大を目指すというありえない設定と、東大合格の秘訣を説くマニュアル形式である点が目を引く。 日本は学歴社会。お前らは負け犬。低学歴者…

「あいくるしい」と『曾根崎心中』

死者が蘇ることはフィクションでは決して珍しいことではないのだけど、母親を「再生」させた「あいくるしい」には、さすがに少々度肝を抜かれた。これはそういうドラマではないはずだ。案の定、この「母親」をめぐるその後の展開は、ヒッチコックの『めまい…

「黒革の手帖」と津川雅彦

そもそも原口元子役には元タカラジェンヌあたりの凛々しくて力強い女優が適役だと思っていたのだけど、米倉涼子が演じる元子は、なぜか回が進むたびにそれほど違和感がなくなってきた。どこか骨太な体つき、不器用な演技が、逆におどろおどろしい作品世界に…

「タイガー&ドラゴン」と清水ミチコ

「タイガー&ドラゴン」を途中から見て、最近ようやく見終えた。宮藤官九郎の脚本としては「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」に特徴的な土着性や同時代性が脱色されている。その良し悪しはともかく、少なくとも、猥雑さが省かれた分、古典…

「SEX and the CITY」の好感度

このシリーズは「アリー my Love」の人気に乗じて始まったという話をどこかで聞いたことがあるのだけど、「アリー」とは異なり、語りの視点は女に限定されている。主人公キャリーは30代前半の独身女性コラムニスト。ニューヨークの性(恋愛)事情を等身大の…

「あいくるしい」 第五回(5月8日放送)

半ば義務感で鑑賞&更新。この調子で話を延ばすのは辛いだろうなと思っていたら、母が死んだ。地元の祭りから帰宅し、浴衣姿のまま次女に添い寝しながら逝くという死に様はなかなかよかった。振り返れば今回は、死を控え、家族それぞれにメッセージを遺して…

「あいくるしい」 第四回(5月1日放送)

家族を気遣って大学合格を隠していた長女(綾瀬はるか)に、家族の前で「合格おめでとう」と上京を促しながら、いざ長女が部屋探しに東京に向かえば「あの子は帰ってくるはず。家に残るのは家族のための自己犠牲というより、自分の選択でなければならない」…

「あいくるしい」第三回(4月24日放送)

母親の病気は治療不能で、近い将来の死が避けられないことが決定的になった。そこで家族は母親を退院させ、余生をともに過ごすことにした。医学の進歩が、何が治療可能で何が治療不能かを、そして、死期を明確にするとしたら、それは残酷なことかもしれない。…

「あいくるしい」第二回(4月17日放送)

主人公・真柴幌はやはりちょっと頭が弱いように見える。実際、母親は幌が発達障害ではないかと心配していたことを仄めかし、あまり勉強はできないものの、「まともに」育ったことに安堵している。ただし、泣くことがない──そしてどうやら、怒ることもない──…

野島伸司脚本ドラマ「あいくるしい」初回

昔はテレビドラマがつまらなくて映画ばかり見ていたのだけど、近ごろは新しいドラマが始まる季節になると、面白そうなものにだいたいの当たりをつけるようになった(なってしまった)。とりあえず日曜日は「あいくるしい」を見てみた。脚本は野島伸司。「仔…

「金八」第14話「車掌がトラメガを捨てたワケ」

最近「金八」の話ばかりしているような気がする。自分がどこに惹かれているかというと、おそらく出演者の初々しさと演出のベタさを併せ持つところではないかと思う。前者は今時の中学生のドキュメンタリーとして見ることができるという意味もある。後者はも…

鶴本直と天使恵

先週録画した「3年B組金八先生新年スペシャル」をようやく見た。新聞のテレビ欄を見たとき、なぜ上戸彩が出演するのかも分からなかったのだけど、そういえばこの人も3Bの生徒だったのだ。そして今回の演技と挿入された回想シーンを目の当たりにし、この第6シ…

教育と訓練──「金八」と『ベルリン・フィルと子どもたち』

先週の「3年B組金八先生」はほとんど一本調子の熱血ドラマだった。それを決定づけたのは冒頭の金八の挑発。授業をボイコットされた金八は思案したのか、怒りも落胆も隠して教壇に立ち、戸惑う生徒たちに、したたかに「喧嘩」をふっかけた。動揺している相手…

『3年B組金八先生』を見て考える

現実世界では見たこともないし、残念ながらやったこともないのだけど、ひと昔前のテレビドラマでは、若いカップルが果物でキャッチボールするという演出があったような気がする。果物は若さの象徴だったのだ。たとえば『ふぞろいの林檎たち』のオープニング…

三谷幸喜映画の「面白さ」

三谷幸喜という人はとても優秀で、日本において、指折りの脚本家であり喜劇作家であることは、だれもが認めるところではないだろうか。僕は彼の仕事のすべてを追っているわけではないし、舞台はひとつも観ていないけど、映画やテレビの仕事はわりと注目して…

「恋のから騒ぎドラマスペシャル」

「恋から」歴代名物出演者3人に焦点を当てた、それぞれのドラマを制作すると聞いて、期待すると同時に不安を覚えていたのだけど、結果としてはなかなか面白かった。 第1話は高飛車な三十路のスッチー、通称“掛布”、第2話は語尾に「タン」をつける妙な喋りで…

『アリー my Love』日本版計画

巷のOLのハートを鷲掴みにしたという『アリー my Love』(アリー・myラブ)を少しずつ見ている。1997年に始まり、すでに日本での放送も終了しているのだから、いまさらと思われるかもしれないけど、面白いものは面白い。学園ドラマとかソープ・オペラとかシ…