「あいくるしい」第三回(4月24日放送)

母親の病気は治療不能で、近い将来の死が避けられないことが決定的になった。そこで家族は母親を退院させ、余生をともに過ごすことにした。医学の進歩が、何が治療可能で何が治療不能かを、そして、死期を明確にするとしたら、それは残酷なことかもしれない。
ところが、状況が絶望的になったにもかかわらず、主人公・幌はそれを否認している。幌は母親の病気は自分にも原因があると考えている。その負い目があるためか、七つのビー玉を然るべき人間に分配し、「虹色の戦士」をつくれば、母親が助かると信じている。どうやら幌にとって「母親を救う」は「世界を救う」を意味しているようだ。ただし両者の関係はあまりはっきりしない。ビー玉所有者は現在三人。すでに小学生のグループは七人いるわけだけど……。
いずれにしても次回からは「死をどう受け入れるか/受け入れないか」、あるいは「死にどう向き合っていくか」をめぐる展開になることがはっきりした。ちなみに、この家族は状況を問わず、唐突に歌を唄いたがる。空元気によるものではあるものの、唄えば実際に明るい気分になるという発想が面白い。簡単にいえば、暗い(重い)テーマを明るく描くドラマということになるだろう。