町山智浩『底抜け合衆国』からメモ

インディペンデント系ラジオ局「エア・アメリカ」

1996年、アメリカでは通信法が改正され、「電話会社の自由競争を推進するための規制緩和だったが、同時に放送局の買収規制も緩んだ。」
現在ではクリア・チャンネルが全ラジオ局の六割を買い占めた。政府と癒着した巨大企業は番組で、レコード会社が予算をかけた曲しかかけないし、911以降反戦的な歌の放送をやめ、南部大都市で「賛戦集会」を主催するなど政治的立場を鮮明にしているという。右翼DJブームもこうした背景が原因となっているとか。
ただし、かなり昔、「アメリカではCDやレコードがコピーされることはあまりない。なぜならラジオがあるから」という話を聞いたことがあるけど、ネットが普及したであろう今なお、ラジオが同様の人気を保っているとは思えない。また、おそらく、日米ではラジオの役割・機能が異なるので、ちょっと事情を想像しにくい。ともあれ、右翼DJブームは、日本でいえば、2ちゃんねるなど、ネット系の言論が右寄りがちであることと似ているのかな?
そんなわけでアメリカで唯一のリベラル系ラジオ局として紹介されているのが「AIR AMERICA」。ストリーミングで聴けます。

『ザ・コーポレイションThe Corporation』

「企業支配社会の恐怖を描くドキュメンタリー映画」。監督はMark Achbar, Jennifer Abbott、脚本はJoel Bakan。公式サイトでは、マイケル・ムーアもコメントを寄せています。"The problem is the profit motive: for corporations, there's no such thing as 'enough'."
日本語で紹介しているサイトは少ないようなんだけど、公開予定はないのかな。

【追記】UPLINKが配布している小冊子によると今秋公開予定だそうです。

ディズニー

ミッキーマウスのデザインやアニメを手掛けたのはウォルト・ディズニーではなく、アブ・アイワークスというアニメーターなのだと。知らなかった。何年か前に企業著作権が20年延長されたのは日本でも話題になったし、ディズニーが著作権に超厳しいのはよく知られている。それに立ち向かったただ二つの例としてあげられているうちの一つがこれ。Wally Wood"Disneyland Memorial Orgy"Poster, 1967。40年近く前の作品! このひと絶対ディズニー大好きだよな(笑)。
『底抜け合衆国』には、彼らは「訴えられたが、結局、示談になっている」。「ディズニーに説得されて、それを再び発表しないと約束した」とあるのだけど、「イリーガル・アート」というこの展覧会で展示する分には問題ないのだろうか?