早川いくを『へんないきもの』

へんないきものドゥーガル・ディクソンほかによる『原色版 恐竜・絶滅動物図鑑』や、水木しげるの「画談」シリーズなど、非現実的な生物を収めた図鑑を好むものとしては、ベストセラー『へんないきもの』(バジリコ株式会社)は必見だった。が、自分と同じように童心に帰るつもりでこの本を手にとる人は、きっと引いてしまうだろう。

ページをめくるといきなり下ネタ。まず、タコブネのオスは交尾用の「ペニス足」をメスに挿入すると切断されてしまうという解説。まあ、ここまではいい。しかし、

ペニス増大薬を飲み、「チントレ」と称して日夜その種の鍛錬に励む諸兄におかれては、前を押さえて逃げたくなるような悪夢である。

しょーもない話を仰々しく「である」体で強調するこのセンス。わざとかなあ……。また、白アリを自衛隊に例えたり、センジュナマコの印象の日米の違いの話を真珠湾攻撃で落としたり、テッポウエビの話の枕を細川ふみえにしてみたり、少なくとも子供向けではない。

とはいえ、オヤジ文体・目線が目に余るケースはこれくらいで、生態の解説は興味深いものが多い。なにより、紹介されている生物の面妖な姿が面白すぎる。写真よりも抽象的なモノクロのイラストが効果的だ。まるで楳図かずおの『漂流教室』に未来生物として出てきそうな生き物がたくさん登場する*1*2

*1:個人的にはコモリガエルが「ヒット」した。これは怖いもの見たさで検索して見つけたページ(それなりに覚悟してクリックしてください(^ ^;)。

*2:ところで最近、ある週刊誌で美少女アスリートの小特集を組んでいた。たしか、シャラポワ安藤美姫横峯さくららが取り上げられていた。そこにさらに宮里藍が含まれていたことを疑問に思ったので、正直に、ある酒の席で軽く告白してみた。するとこちらの気持ちを察してくれたのか、思いの外、好意的な支持を得られた。そうなるとなぜか逆に、なんとかフォローしなければならないという気持ちが抑えられなくなり、「でも、宮里藍ってピチピチしてるよね」と漏らしたところ、一転して「オヤジくさい」と総攻撃されてしまった。ピチピチしてるだろーが……。