怒濤のPerfume週間その1

2月9日はCHOCOLATE DISCO@Shinjuku BE-WAVEに参加。有志によって、こういうものが開催されるようになったことは素直に嬉しいですね。少しだけだったけど、ライヴでお決まりのコールがフロアで出たのは笑えたし、Perfumeの挨拶のサンプリングを要所々々で被せたりという演出も面白かった。なにより、Perfumeの音を、capsuleをはじめ、内外のハウスやテクノ、エレクトロとともに集中的に聴けたのがよかった。中毒性の高さを改めて実感しました。
同時にPerfume不在という事実から再認識したのは、Perfumeはやはりエンターテイナーであり、ライヴ会場に足を運ぶ客は、いわば3人のもてなしを受けているということですね。ファンがどこまで自覚的か判りませんが、そこには「Perfumeに遊んでもらっている」という感覚があるわけです。
裏を返せば、ディープなファンは「腰が抜けるまで遊んでやろうかいの」という心意気をついつい期待してしまうし、実際、それに応えるように「Perfumeとあなた」の頭文字を取ったファンクラブ「P.T.A.」の発足記念イベントは「パッと楽しく遊ぼうの会」と名付けられていました。
これはある意味、わかりやすい共犯関係ですが、少なくとも僕にとってはかなり新鮮で、これまで見てきた音楽や演劇やお笑いのライヴなどではあまり得られなかった感覚なんです*1。近いものを強いてあげればプロレスか、プロレスっぽさをうまく取り入れたPRIDEかもしれません。
ともあれ、クラブイベントが純粋に、あるいは薬を射つように、ひたすら快楽を追求し、増幅させるようなリアリズムが支配する場であるなら、ライヴ(に限りませんが)は「アイドル」という長らく世間一般から隔離されてきたアングルが噛まされた、楽しさや嬉しさを自ら発見していく虚実皮膜の場といえるでしょう。

*1:ちなみに日本の金持ちには、芸能はともかく、芸術(家)に投資するという習慣があまりないようですが、アーティストに「もてなし」を受けたい、遊んでもらいたいから金を払う、というこの感覚が浸透すれば、芸術(コンテンポラリーアート)の世界も変わるのかもしれません。