GAME TOUR

5月4日、Zepp Tokyoに行ってきました。最近のライブの雰囲気は一言でいうと和やか。メジャーになるというのはこういうことなのかと実感します。以前は、ファンのあいだで連帯感や危機感、刹那的なお祭り気分があり、まあ今もなくなったわけではないのかもしれないけど、それが新しいファンが流れ込んできたことによって、かなり緩和・中和されているような気がします(この日は「Perfumeのライブ、初めての人〜?」と訊かれて半分近い人が手を挙げたとか)。売れているものを見るという安心感もあるんでしょうか。
松本人志はたまに「ダウンタウンのことを知らない客を笑わせるのが快感だったけど、それはもうありえない」と嘆くんですが、Perfumeのライブについても、同じことがいえるようになりつつありますね。「ライブのほうが全然いい」みたいな反応はともかく、「このコたち、だれ?」みたいな空気が一変する快感は、国内ではもう味わえないのかもしれません。が、LOFTやFAB、CAY、芸祭、ロックフェスのころ、いわば、やり逃げアイドルの本領を発揮していたころを忘れないでいただきたいです。Perfumeは最近「ライブはホーム」的なことを言ってましたが、アウェイでもあったんですよね。
まあ、とはいえ、Perfume自身はたぶんなにも変わってないんですが、今後、武道館でのワンマン、そしておそらく紅白出場と夢を実現した後の路線が気になります。「ごっつ」後の松ちゃんがメジャーな仕事と並行してマイナー志向の作品を手がけたように、Perfumeにとってもそんなマネージメントが理想的なのかもしれないですね。
ただ、空気が変わる快感は期待できないといいつつも、この日の「GAME」「Take me Take me」のパフォーマンスは凄くて、これだけでも行った甲斐がありました。昨年披露された「Perfumeの掟」は今後、ひとつの転換点として語られるべきものとなりそうです。また、「Take me Take me」や「マカロニ」など、大人っぽさを強調する振付は、もはや子供ではないけど、まだ大人にもなりきってない今だからこそ、導入すべき、また、実際あざとくなく成立する振付といえるでしょう。新曲のダンスを見るたびに水野先生の偉大さ、Perfumeの3人の底力に恐れ入ります。Perfumeのダンスはおそらく楽曲以上にユニークで、他に比較対象がないためにその凄さがなかなか実感できないんですが。