M-1グランプリ2004雑感

あまり予想を裏切ることなく、アンタッチャブルが優勝。パワーと勢いで他を圧倒していた。
南海キャンディーズのネタは初めて見た。ツッコミの山里はガチンコ漫才道で生徒として出演してたやつだ。懐かしい。またすごい相方を見つけてきたなあ。しずちゃんか……。鈍くさい雰囲気に、ちょっと父性本能がくすぐられる(笑)。ただフリートークの山里は相方を立てすぎじゃないか。謙虚を通り越して卑屈に見えてしまう瞬間がある。
POISON GIRL BANDは期待どおりだったのだけど、緊張のせいか、規定時間のせいでもあるのか、春風亭小朝が指摘していたように、展開を少し急いでしまったようだ。いつもはもっとネットリ・ベッタリとやっているはず。ただ、どこかで“訂正ツッコミ”とか呼ばれていたあのツッコミが今回は少しボケに乗っかり、さらに不思議な世界を強調するような役回りで、抑揚を抑えつつも、着地を焦らず、ふわふわとした調子がかなり気持ちよかった。体育をさぼっている中学生のように、気の合うアホ同士が、テンションを下げず、上げすぎず、少々浮世離れした会話を延々と引き延ばし行く。
──ただ、あの帽子からはハトは出てこない。
──ハトは出てこない。あの帽子からは。
──おまえ、ハト、知ってる?
──おれはねえ、ハトを、知っている。
──そうなの?
──おまえに言ってなかったけど、おれはハトを知っている。
──あー、そうなの? あの「ハ」に「ト」で、ハトだよ。
──そっちのハトでいいんだろ?
──ん。
──そっちのハトでいいならおれは知ってるよ。
他にハトがあるのか?(笑) 爆笑ではなく、抑えきれずにずーっと力無く漏らしてしまうような笑いを誘う。茶をすすりながらずっと聞いていたい。
それにしても、笑い飯はネタの選択はあれでよかったのだろうか。人差し指の話と二宮尊徳像の話が繋がってない。しかも長いネタだなーと思ったら、なんと6分以上やってる。これは反則じゃないのだろうか? ラサール石井の「ネタ、二つやってるんだよね…」という指摘を受けて、西田が「三つやればよかった」とやけくそ気味にボヤいていたけど、確信犯か?