黒アイドル待望論

宇多丸師匠のアイドル状況論(http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/files/st20070608.mp3)。マッピーの声が珍しくガラガラで逆にセクシーですw すみませんマニアックで……。
さて、モー娘の騒動に触れながら始まるこの話、ようするに──この情報社会で幻想を維持するのが困難であるにもかかわらず、女性アイドル歌手は相変わらず純潔と疑似恋愛を要求される。でも、そんな時代遅れの窮屈なシステムでは、だれもアイドル歌手になりたがらない。一方、男性アイドル歌手(ジャニーズ)は80年代後半から90年代にかけて、ゆるやかに価値観を変えることに成功し、一般人の彼女がいることを公言するキムタクのようなアイドルも生まれた。ならば同じように、私生活をある程度晒しながらイメージダウンしないような女性アイドルは出てこないのか? 沢尻エリカ中川翔子がいるじゃないか──といってるわけです。けど、この二人、歌手じゃないんじゃ……? とりあえずいいのか。
それより、どうも気になるのは、ここでは男女の違いというか非対称性が軽視されているように見えること(この点、しょこたんは性別を超えた例外的存在ではないでしょうか)。性的規範は男女で異なりますからね。これは「浮気と不倫の違い」みたいな俗っぽい話になってしまいそうですが、馬鹿にはできないでしょう。逆に宇多丸さんの話には、アイドル文化存続願望とともに、左翼を自称するだけあって、男女の違いを超える“べき”(女性アイドル歌手も男性アイドル歌手と同じように扱われる“べき”)という理想、少なくとも期待が込められていますよね。僕自身、たとえば、まるで詳しくないですが、モー娘脱退後の藤本美貴がこれまで以上に活躍するような方向に期待してはいるんですが……。